イケメンSPに守られることになったんですが。
これ以上2人の邪魔をしないように、こそこそとカウンターの奥に入り、ケーキの箱を開ける。
ふぉぉ、おいしそ~。
ど・れ・に・し・よ・う・か・な~……。
結局一番無難なショートケーキにフォークを刺して食べ始めると、二人の大人の声が聞こえてきた。
「所持品チェックはすんでいる。もう必要ない」
亮司さんが相変わらずむっつり顔で言う。
「しかし、これだけ何度も襲われるのはおかしい。
いくらなんでもSPの自宅には入り込めないだろうが、出かけると必ずテロリストがわく。
監視されているか、発信機か盗聴器かが仕込まれていると思ったほうがいい」
……難しい話してる……。
でも、無関係じゃないしな……。
ケーキをはむはむしながらカウンター越しにのぞいていると、テーブルに置きっぱなしにしていた私のスマホが震えた。
「中園さん、鳴ってますよ」
「ん~?『占い無料!』とかのインフォメールじゃないですか?」
ぽてぽてとそれを取りに行くと、篠田さんがあっと声を出した。
「これか……!」
「えっ」
「最近、別の事件で新手の小型発信機が発見された。
その類似品かもしれない」
な、なに?発信機?
まさか、このスマホについてるって言うの?