イケメンSPに守られることになったんですが。
「まさか」
亮司さんが手を差し出したので、私は彼にスマホを預ける。
彼はカバーをはずし、その中身を凝視した。
透視しているんだろうけど……。
「なにも、不審な点はないが……」
「マヌケ。貸してみろ」
そう言うと篠田さんは亮司さんからスマホを奪い、電源を落とす。
そして、電池パックを外し、器用にマイクロSDカードを取り出した。
「……これだ」
「ええっ!!」
こんな小さくてペラペラのマイクロSDが発信機!?
確認するが、たしかに形はマイクロSDだけど、商品名も型番も何もプリントされていない。
っていうか、こんなものいつの間に!?
普通のマイクロSDを入れていたはずで、修理にも出したことないし、どこかに忘れたり落としたりした覚えもない。
「……中園さん、彼は……合鍵を持っていましたか?」
超小型発信機を眺めて、亮司さんが私に問う。
「持ってましたけど……それは、彼が出て行った日にテーブルの上に置いてありました。
それからはちゃんと、自分で持ち歩いていましたけど」
「その前に、その合鍵でもうひとつの合鍵を作っていたか。
おそらく、いつか空き巣にでも入るつもりだったんだろう」
篠田さんは呆れ顔で何も知らなかった私を見下ろす。