イケメンSPに守られることになったんですが。


「止まれっ!」



野太い敵の声がする。



「振り向くな!走れ!」



亮司さんに言われるまま、私はふすまの前を駆け抜ける。


するとパン、パン、と短い銃声が響いた。


ひいぃ、発砲されてるぅぅぅぅ!!



「……へたくそがっ!!」



横の亮司さんは私の手をにぎったままリョウさんみたいな台詞を吐いた。


そして片手で銃をかまえ、後方に2発、撃ち帰す。


わああ、と悲鳴が聞こえた気がしたけど、私はそちらを見ないようにした。


怖いけど、泣きそうだけど、とにかく亮司さんについていかなきゃ……!


そうして走ってぶつかった角を曲がると、そこには前から騒ぎを察したテロリストたちが待ち伏せしていた。



「手を上げろ!」



テロリストたちがこちらに叫ぶ。



「チッ……道を開けろ!!」



亮司さんが銃をホルダーに収めると、テロリストたちが束になって素手で亮司さんを抑えにくる。


そうか……幹部を除いては、この人たちも銃を撃ち慣れているはずがない。


亮司さんはナイフや鉄パイプといったヤンキーみたいな武器を持った男たちの手を狙う。


そして攻撃をよけながらパンチやキックを繰り出し、敵が素手になったところを、柔道の一本背負いみたいにして、テロリストをちぎっては投げ、ちぎっては投げた。


< 371 / 438 >

この作品をシェア

pagetop