イケメンSPに守られることになったんですが。
たしかに私がいたら、足手まといかもしれない。
でも、こんな敵地の真ん中に彼だけを置いていくなんて、どうしてもできない。
迷っていると、今まで亮司さんの銃の腕前に驚いてフリーズしていたテロリストたちが、異常に気づきはじめた。
「おい……どうしてあいつ、動かないんだ?」
「もしかして、弾切れか……?」
まずい……!
顔を上げて、亮司さんと目を合わせる。
すると……。
「道を開けろ」
聞き覚えのある声がして、階段の近くのテロリストの群れが、両の壁際に寄った。
そして、テロリストたちの真ん中を歩いてきたのは……。
「和也……」
タレ目のだらしない顔。
元は私の彼氏だった男。
和也だった。
その後ろからは、トラックに乗っていた3人の男たち。
突然の幹部の登場に、下っ端たちは静まり返った。
「まさかここまで追いかけてくるとはな……たいしたSPだぜ」
和也は私たちの前に立って、薄笑いを浮かべながら言った。
「…………」
亮司さんはそちらに銃をかまえたまま、黙っている。
「あきらめろ、SP。
どうせ公安が近くにいるんだろ?
麻耶と一緒に人質になれよ。
そうして、もう一度交渉のやりなおしだ」