イケメンSPに守られることになったんですが。
もう一度……。
下っ端たちが、和也の顔と仲間の顔を交互に見て、ざわざわとし始める。
「け、警察がそこまで来てるんだよな……?」
「じゃあ、逃げた方がよくないか……?」
当然警察に捕まりたくないんだろう。
ぽつぽつと、そんな声が聞こえてきた。
その声が聞こえて来た方に、後ろにいる幹部がピストルの口を向ける。
あたりは一瞬にして静まり返った。
「裏切り者には、死をもってつぐなってもらうぞ」
後ろの幹部の声が、廊下に重く響く。
そのあとの沈黙を破ったのは、亮司さんだった。
「人質か……悪いが、その相談には乗れないな」
「……SPがたったひとりで、なにができる?」
和也がポケットからピストルを取り出し、亮司さんに向ける。
「……たしかに、SPはひとりじゃ何もできない。
だけど、お前たちテロリストたちみたいに、集団で誰かを傷つけるようなやつよりよっぽどマシだ」
「……どこがマシなんだ?」
「俺はヘリも持っていないし、SATを出動させる権限もない。
無茶苦茶な作戦を止めることもできない……」
亮司さんは、悔しそうに唇を噛む。
しかしそれは、ほんの一瞬。
次の瞬間には、その黒い瞳から強い光を放ち、体中にその力強い声を反響させた。
「俺は何もできない……何の力もない。
けれど……。
麻耶だけは、守り通してみせる!!」