イケメンSPに守られることになったんですが。


何年かかるのかな……。


ううん、何十年かな?


私は思考を現在の高浜家に戻して、ぼんやりリビングの中を見渡した。


そんなに待っていられないよね。


亮司さんはかっこいいけど、おじさんだもん。


あなたが他の誰かを選んでも、恨み事は言わないよ。


私は大丈夫。


あなたが教えてくれたもの。


価値のない人間なんかいない。


死んでいい人間なんかいない。


私だって、そのうちのひとり。



きっと……強くなれる。



あなたが死んでしまっても、なんとか生きていけるくらい。



だから、せめて……忘れないでね。



本屋さんで万が一私の小説を見たら、買ってくれる?



ああ、この子、俺が昔警護したんだよ。マルタイだったんだ。



そうやって誰かとときどき、バカで妄想癖がひどい私のことを思い出して笑ってね。






ずっと……その傷だらけの人生に終わりが来て、永遠の眠りにつく日まで。




笑っていてね。




< 392 / 438 >

この作品をシェア

pagetop