イケメンSPに守られることになったんですが。
何年かかるのかな……。
ううん、何十年かな?
私は思考を現在の高浜家に戻して、ぼんやりリビングの中を見渡した。
そんなに待っていられないよね。
亮司さんはかっこいいけど、おじさんだもん。
あなたが他の誰かを選んでも、恨み事は言わないよ。
私は大丈夫。
あなたが教えてくれたもの。
価値のない人間なんかいない。
死んでいい人間なんかいない。
私だって、そのうちのひとり。
きっと……強くなれる。
あなたが死んでしまっても、なんとか生きていけるくらい。
だから、せめて……忘れないでね。
本屋さんで万が一私の小説を見たら、買ってくれる?
ああ、この子、俺が昔警護したんだよ。マルタイだったんだ。
そうやって誰かとときどき、バカで妄想癖がひどい私のことを思い出して笑ってね。
ずっと……その傷だらけの人生に終わりが来て、永遠の眠りにつく日まで。
笑っていてね。