イケメンSPに守られることになったんですが。


う……普段食べ過ぎていたかしらん。でも食欲がないなんて言ったら、心配かけちゃうし……。

適当にごまかそうとすると、背筋を悪寒が走っていった。

こらえきれず、ひとつくしゃみをする。


「へくちっ!」


それが呼び水になったかのように、ぞくぞくと体が震えた。

うう、室内なのに寒い……。

もしかして、昨日も深夜まで作業をしていたから、風邪ひいちゃったのかな。


「……麻耶?」

「へ、へへ……ごめんなさい」


ずず、と鼻をすすると、亮司さんがおもむろに私の前髪をかきわけ、その大きな手のひらで額を触った。


「熱い」


眉をひそめてそれだけ言うと、彼は店員さんを呼んで、注文をキャンセルした。


「早くコートを着て。家に帰った方がいい」

「でも……」


反論しようとしたら、またぞくぞくと悪寒が襲ってきた。

気づけば、関節も痛い。


「……ごめんなさい」


これはムリだ。亮司さんの言う通り、帰った方が良さそう。

私はのろのろとコートを着ると、とぼとぼとレストランをあとにした。


< 412 / 438 >

この作品をシェア

pagetop