イケメンSPに守られることになったんですが。


再校、再校……。

今日中に終わらせて、明日のお休みは二人でゆっくり過ごすんだもん……。


私は自分の頬を叩き、無理やり脳を働かせようとした。

机の上に置かれた分厚い紙の束の、ふせんを貼ってある箇所を開く。

ちなみに再校というのは、パソコンで改稿したものを編集さんがチェックして、紙にプリントアウトしたもの。

それの最初のものを初校と言い、初校に入れた赤字を反映してできたのが、再校。

ここでのチェックが、発売前の最後のチェックになる。失敗は許されない。


「あっ、ダメじゃん……『リョウさんが好きだって言ってくれた』って……言ってない、ひとことも言ってない」


不思議と、原稿と向かい合うと、いつもの自分とは別人のように頭が働いた。

咳をしながら、赤字を入れていく。


「ええと、亮司さんの銃弾は8発、射程距離は……何メートルだっけ?」


細かい設定を確認しながらの作業は続く。


「ぐえほっ、ぐえほっ……」


さ、寒い……部屋着だけじゃダメだ。カーディガンに、ひざ掛けもいる。

ふらりと立ち上がると、視界がぐにゃりと歪んだ。



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