イケメンSPに守られることになったんですが。
身体がぐらりと傾いたと思った瞬間、咄嗟に机に手をついた。
けれどそれは、無造作に置かれていた資料の上で……。
「ぎゃう!」
雪崩を起こしたそれとともに、私は転んだ。
周りに、『図説・警察の全組織』『テロリストの心理』『アホでもわかる幕末』、『土方歳三・炎の武士道』、『日本の妖怪大辞典』、『忍者の暮らし』などなど、図書館で借りるときにちょっと恥ずかしい思いをした資料たちが散らばった。
そのとき、玄関が開く音がした。
集中していたからわからなかったけれど、時間は刻々と過ぎていたみたい。
「ただいま……麻耶?」
リビングに私がいないことに気づいたのであろう亮司さんが、部屋のドアを開ける。
「……何してるんだ?」
『土方歳三』の本を手にした私を、亮司さんがにらんだ。
「ええと……お仕事……げほ、ぐえほ、ごほっ」
「馬鹿!」
亮司さんは私を起こすと、抱っこしてリビングに強制送還する。
ぼんやりした視界の隅に、ドラッグストアのビニール袋が見えた。