イケメンSPに守られることになったんですが。
「とにかく、何か食べて薬を飲むんだ。
そうしたら、あとは寝ること!」
亮司さんはスーツのままネクタイだけを乱暴にほどき、腕まくりをする。
そのうっすらと線みたいな傷がいっぱいついた腕で取り出したのは、冷凍うどんだった。
「料理はできないけど、文明の利器を頼ればなんとかなるさ!」
亮司さんは自分を励ますように言うと、初めて自らキッチンに立った。
いつも私のお手伝いはしてくれるけれど、彼が一人で何かを作ったことはなかったのに。
まずミニケトルに水を入れてセットした亮司さんは、袋の裏側の表示を真剣に見て、うどんをレンジに入れ、ボタンを押した。
「めんつゆ、3倍希釈」
湧いたお湯とめんつゆを几帳面に計量カップで合成し、どんぶりに移す。
その中に温まったうどんを入れ、冷蔵庫から生卵を取り出し、その上に落とした。
「できた!麻耶、ほら!」
……冷凍うどんを、かなり手抜きな方法で作っただけなのに、なぜか誇らしげに笑ってる……。
…………可愛い。
おっさんのくせに、なんでこんなに可愛いの。