イケメンSPに守られることになったんですが。
うーん、別に警護の質に不安があるから言ったんじゃないんだけどな。
そりゃあ、あたしみたいな文系ひょろひょろ女子とは、体力も気力も全然違うだろうけど。
「というわけで、何か質問はありますか?」
「……すみません。
今までの情報を整理するのに精一杯で……」
「ああ、そうですよね。
まあ、こんな厄介な人種と関わるのも、事件が解決するまでですから。
リョウは嫌なやつでしょう?
あなたのような大人しそうな女性を見ると、ついいじめたくなるみたいで……
あいつの言うことは、全く気にしないでくださいね」
ボールペンが、テーブルの上に置かれる。
その途端、高浜さんのスーツからスマホのバイブの音がした。
高浜さんはすぐに電話に出る。
その顔は厳しくて、さっきまでの穏やかな笑顔はどこにもなかった。
「はい、高浜です。
はい、こちらは異常なしです。
…………え!?」
びく、と身体が震えた。
高浜さんの声が、驚きと緊張を孕んだから。
きっと、よくないことが起こったんだ。
そう、直感した。