イケメンSPに守られることになったんですが。
────案内されたのは、なんだか品の良いマンションの5階だった。
がくがく震えたままの私と荷物を一手に引き受けた亮司さんが、スーツからカードキーを取り出す。
玄関が開き、中に入った途端、私は崩れ落ちた。
「ふ、ふぉぉぉっ……」
「大丈夫ですか」
「だいじょばないです……」
「そうか、そうですよね……」
亮司さんが私の少しの荷物を置いたのが、突っ伏した視界に入った。
ああ、だめだ。
こんなところにいたら邪魔だ……
なんとか体を起こそうとすると、脳の命令より先に、身体がふわりと茶色の玄関マットから浮いた。
何コレ。背中と膝の裏に、妙な温かみが……。
「……ちょ……!?」
「すぐリビングですから」
目の前に、亮司さんの横顔があった。
そう。
私は荷物と同じように、運ばれようとしていた。
な、なんと、お姫様だっこで!!