イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんは片手で私を子供のように抱き上げたまま、片手で器用に履いていた靴を脱がせた。
それを玄関に放ると、私を抱きなおし、自らも靴を脱いで部屋の中へと上がっていく。
……にゅ、にゅおおおおっ!!
「あ、歩けます、歩けますぅぅぅっ!!」
「大丈夫ですよ、中園さん軽いですから」
亮司さんはそのまま私をリビングまでお姫様抱っこし、そこに現れた大きな黒いソファに優しく座らせた。
「すみません、ちょっと待っててくださいね。
ちゃちゃっと掃除機だけかけちゃいますんで」
亮司さんは一方的に話すと、スーツのまま別の部屋へ消えていった。
まるで、さっき銃撃戦があったのなんか、嘘みたいに。
間近で見た横顔は、汗ひとつかいていなかった。
……やっぱ、すごいSPなんだ……。
「失礼しますよー」
……なんか、普通に掃除機持ってきてのん気に埃吸ってるんですけど。
すごい人なんだよね……?
なんだか色々なことがありすぎて、頭がごちゃごちゃだ……。