イケメンSPに守られることになったんですが。
掃除機をかける亮司さんの背中をぼんやり見ていると、突然彼のスマホが震えた。
彼は掃除機のスイッチを切り、背を伸ばして電話に出る。
「はい、高浜。新城か。
……そうか、やはり……いや、お前達が悪いわけじゃない。
ん?事情聴取?今からか?」
亮司さんはちらっとこちらを見ると、柔らかく微笑んだ。
まるで、何も心配しなくていいよ、と言うように。
彼は電話を顔から離すと、
「すみません、さっきの報告をしてきます。
何かありましたら、大声で呼んでください」
と言って、他の部屋に行ってしまった。
何かあったらって……まさか、こんなオートロックのマンションに簡単に入り込める人はいないよね。
それにしても、広い部屋……
この一部屋だけで、私の住んでたボロアパートの全体の面積より広い気がする。
「…………」
嫌だな。
広いところにぽつんと一人で置かれると、途端にさっきの恐怖が蘇ってしまう。