わたくし、政略結婚いたします!?
「えっ!わ、それは、申し訳ありません!私がお伝えしておくべきでしたね……!」
「何が?」
「旦那様、チョコレートがお嫌いなんですよ……!基本的になんでも召し上がる方なんですが、チョコレートだけは昔から苦手だったようで……!」
メグが申し訳なさそうに眉をハの字にさせて言う。
「え……。でも、私レナルドはチョコレート味が好きだって聞いたのに……」
「どんな出まかせですか!屋敷の使用人ならひとり残らず知ってますよ」
「嘘……」
使用人が知っているのに、イトコのウィルが知らないわけない、わよね…?
うっかり間違えたのかしら。
それとも、私が聞き間違えた……?
「でも…。レナルド、チョコレート味のものも食べてくれたわよ……?」
私が部屋を出る頃にはほとんど食べ終わっていた皿からは、確かにチョコレート味のクッキーも減っていた。