わたくし、政略結婚いたします!?
「さぞお喜びになったでしょうね…!なにせ愛する奥さまの手作りですもの……!」
キラキラと瞳を輝かせているメグだけど、どうしてさっきからレナルドが私を好きだなんて思っているのだろう。
そんなことあるはずないのに。
ていうかまだ結婚式あげてないし、『奥さま』ではないんだけど。
「あ、でもアリア様、チョコレートのものは抜きましたよね?」
不意にメグがそう言ってきて、私は首を傾げる。
「え?そんなことしてないわ。だってレナルドはチョコレート味が好きなんでしょう?」
だから、持っていったクッキーの半分はチョコ味だ。
そう言うと、メグは途端に先程のキラキラした笑顔のまま石化してしまった。
見事にフリーズしている。
「メグ?」
何度か呼びかけて、ようやくメグはハッとしたように動き出す。