わたくし、政略結婚いたします!?
「先代の……、レナルド様のお父様とは、本当に逆なんですよ。先代の旦那様は、とても器用な方でしたから」
「レナルドのお父様……」
私は会ったことはないけれど、ハーリトンがここまで力を持つ成金になったのは、その人の力があったから。
きっとすごい人だったんだろう。
「温厚な笑顔をいつも浮かべてらっしゃいましたけど、私にはどこか冷たく見えて……。
そうですね、レナルド様より甥のウィル様の方が、先代には似てらっしゃるかもしれません」
「……私、ウィルに聞いたの。レナルドがチョコレート味のクッキーが好きだって……」
私の言葉に、メグは微かに眉をしかめた。
「ウィル様が?」
「ええ」
私が頷くと、メグは少し考え込むように目線を伏せた。
やがてゆっくりと私に視線を合わせる。