わたくし、政略結婚いたします!?
「……ウィル様は旦那様とは旧知の仲ですから、旦那様のことは私より知っているはずです」
「……そうよね」
「どうしてウィル様はアリア様に嘘をついたんでしょうか……」
ぽつりと呟いたメグの言葉に、私も首を傾げるしかなかった。
メグはウィルを嫌いだというけれど、私はまだ、そう言えるほど彼のことを知らない。
レナルドのお父さんに似ていると言われても、そのお父さんのことも知らないんだし……。
こんな、ちっぽけな嘘を吐いたところでなにかウィルに得になるとも思えない。
厨房で私にレナルドの好みを教えてくれたウィルに何か変な企みがあったようには見えなかったし……。
「……わかったわ」
「え?」
「こういうことは、悩んでいても仕方ないのよ」
私はすっくとベッドから立ち上がった。
メグは驚いたように驚いたように私を見ている。