わたくし、政略結婚いたします!?
「風邪ですね」
「そう、ですか」
あの後、私の叫びに気付いて、エディやメグ、それにサロンで私を待っていてくれたウィルが駆け付けてきてくれて、なんとかレナルドを部屋まで運ぶことができた。
せっかく待っていてくれたけれど、倒れてしまったレナルドのことが心配で話どころではなかったので、ウィルとはまた明日、もう一度会う約束をした。
お医者様に風邪だと診断されたレナルドは、今はベッドで大人しく眠っている。
私はベッドの横に置いた椅子に座ってレナルドを見ていた。
苦しいのか、時々苦しそうに息を乱す。
どうにかしてあげたいけれど、額に浮かんだ汗をタオルで拭いて、ただ見守ることくらいしかできない。