わたくし、政略結婚いたします!?
「ごめんね、待った?」
ぼんやりとそんなことを考えていたら不意に声を掛けられて、ハッと我に返った。
顔を上げると、いつもどおり笑顔のウィル。
「話って何かな?」
そう言いながら、ウィルは私の向かいの椅子に腰かけた。
メイドがウィルの分もお茶を出して、サロンから出ていく。
「……ウィル、レナルドがチョコレートが苦手だって知っていた?」
ふたりきりになって、一体どう切り出していいか逡巡したが結局ストレートに言葉にする。