わたくし、政略結婚いたします!?
「……来ないかと思った」
ドサッと椅子に腰かけ、レナルドは私を見ないままそう言った。
「……どうして。私、ちゃんとあなたと結婚するって言ったじゃない。中途半端な真似はしないわ」
そう言ってレナルドに近づく。
「そうか」
「……レナルド、私のこと抱くの?」
訊くと、レナルドは驚いたような顔で勢いよく私の方に顔を向けた。
綺麗な碧色の目が見開かれる。
「……やっとこっち見た」
ほっと息を吐いてそう言うと、レナルドにグイッと腕を掴まれた。
「……お前、何がしたいんだよ」
レナルドの声は、今まで聞いたことがないくらい、戸惑いに満ちていた。