わたくし、政略結婚いたします!?



なにかしら、と不思議に思いつつ封を切ると、中から出てきたのは1枚の紙と写真。


「これ……!」



まず目に飛び込んできたのは、色あせた写真の方。


幼い少女と、少女より少し年上に見える2人の少年が、楽しそうに笑っていた。


それは、まぎれもなく、私と、レナルド、そして、ウィル。



……昔会ったことがあると、前にきいてはいたけど。


本当にこんなに、仲が良かったんだ。


幸せそうに笑う自分。


その笑顔が心から楽しい、と言っている。


もう一枚の、二つ折りにされた紙を広げる。



「手紙……?」



お世辞にも上手だとは言えない、へたくそで幼い字。


だけど、一生懸命書いたであろうことが伝わってくる。


私は廊下に立ったまま、文字を目で追った。

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