わたくし、政略結婚いたします!?
「何か用?」
自室のドアにもたれかかって私をみる彼。
相変わらず、偉そうな態度。
「結婚式の日取りが決まった」
「……そう」
「興味ないか?」
「そうね。別にいつでもいいもの」
私はあなたに買われた立場だから。
「……メグ、次のレッスン、少し時間ずらせるか?」
唐突に、レナルドは私の隣にいたメグにそう話を振った。
「え!?あ、はい。旦那様のお申し付けでしたら…。フィリップ様には少し遅れるとお伝えしておきますね」
フィリップ様、というのはダンスのレッスンを担当して下さっている先生だ。
「頼む。……お前、ちょっとこっち来い」
「は?」
「早くしろ」
バン、と自室のドアを開けてレナルドが言葉を投げてくる。
……まったく、横暴なんだから。