わたくし、政略結婚いたします!?
だいたい、ずっと働き詰めで貴族なんて名ばかりの、実質ただの町娘だった私に、ダンスやお茶の作法なんてできるはずないでしょ?
幸い、裁縫に関しては嫌という程やってきたので花嫁修業の中でそれだけは免除された。
料理も嫁の仕事だったらよかったのに。
裁縫より、私は料理の方が好きだった。
……料理は全部専属のコックが作るらしいから、私がキッチンに入ることはきっとないと思うけど。
「おい、お前」
「…何よ」
メグと一緒にダンスのレッスンに向かおうと歩いていたら、後ろから声をかけられ振り向いた。
お前、なんて私を呼ぶのはこの家に一人しかいない。
……レナルドだ。