わたくし、政略結婚いたします!?
先程の男爵と同じように、私は簡単な自己紹介だけであとはただレナルドの隣でふたりの会話を聞いていた。
笑顔だけは崩さないように心掛けて。
「じゃあ、またな」
「ああ」
少し話をして、その人も人の波に消えていった。
その後も立て続けに人が寄ってきて、そのたびに私は名前を述べて頭を下げる。
レナルドは、誰の前でも礼儀正しく優し気な笑みを浮かべていて、私の知るレナルドと同一人物とは思えないくらい人当たりが良かった。
そうよね。
ここにいるほとんどの人は私と同じように何らかの爵位をもっている、上流階級。
いくら裕福だとしても、貴族じゃないレナルドが偉そうに振る舞えるわけないか。
きっと、仕事の面でも色々な駆け引きをしてきた相手がごまんといるはず。