わたくし、政略結婚いたします!?


そんな、純粋な頃が、自分にもはるか過去にはあったのだと、思い出してしまったからかもしれない。





『おおきくなったら、ぼくのおよめさんになってね』





ふと、いつかの記憶がよみがえってきて、私は心の中で自嘲した。



────ばかみたい。


何を思い出してるの。


もう、そんなことを言ってくれる人もいないんだから。


全部、捨てたんだから。


幸せじゃなくたって。


愛されなくたって。


ここで、この人の隣で生きていくって決めたんだから。



……思い出しちゃだめ。



幸せだった、過去なんて。



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