野良猫の飼い馴らし方。

やっぱり、この学校の人だったんだ…。

「あー、先客いるー。」

奇跡的に、あたしの存在に気付いていないらしい1人が、振り返りながらそう言った。

どうしよう、帰ったほうがいいのかな?

気付かれてからややこしくなるのは、勘弁願いたい。

「珍しいね、1年生だなんて。」

また耳に届いたのは別の声で、これも、やはり昨日聞いた声。

その張り付けたような冷たい笑みは、あたしのことを警戒している証拠だろう。

うわ、あんまり見られるとバレそうな・・・

「…君、昨日の?」

「えっ!?」

あ、しまった。

思いっきり反応したせいで、5人組は驚きながらもハッとした顔。

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