契約彼氏-ニセ彼氏-
次の瞬間、何が起きたんだろう。
急に体が軽くなった。
和樹が私を抱き上げている。
いわゆる「お姫様抱っこ」ってヤツ?
唖然として見ている理沙たちに向くと、和樹は
「それじゃあ俺たちはそろそろ―。お楽しみの時間なんで」
笑顔で言うと、ちょうど来たエレベータに体を滑り込ませる。
「24階」と言われて、私は慌ててボタンを押した。
扉が閉まる瞬間、みんなの顔がチラリと見えた。
理沙と郁子は羨ましそうな顔で笑っている。
そして瀬戸君は―あの時と同じ、なぜか今にも泣き出しそうな顔をしていた……。