契約彼氏-ニセ彼氏-
ああ、何をしているんだろう、私……。
気づくと、私は混乱する頭で、ジャケットのポケットを漁っていた。
そうだ。
私は和樹の本当の名前が知りたいんだ。
「和樹」は源氏名に違いない。
通りすがりとは言えバージンをあげる相手だ。
後から思い出して名前も知らないんじゃシャレにならない。
外側のポケットは空だった。
内ポケットをまさぐったらコツンと手の先に何かが当たった。
取り出すとそれはケータイ。
さっきのとは違うから、きっとプライベートで使っているものだろう。
私は震える手でソッと中を開いてみる。
待ち受け画面にあったのは、一枚の写真だった。