期間限定彼氏
「今度の土曜日、一緒に映画に行きませんか??」


あいつは少し照れくさそうに、俺を覗き込む。



「いいよ。行ってやっても。」


これが俺の、せめてもの抵抗。

期待なんかしちゃいけない。


「じゃ、あたし帰りますね。」


あっさりとここから立ち去ろうとする、美玖。


「ちょ、待てよ。」


気がつけば俺は、美玖を抱きしめていた。
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