あたたかい雪
なんだいったい。
せっかく雪が降ってるのに、雰囲気なんて欠片もない――
望んでいた、恋人が訪れてくれるという状況になったことも忘れ、美穂は不満気な表情を携帯電話の待ち受け画面に向けた。
しかし画面の中で穏やかな笑顔を浮かべる昌彦の顔を眺めていると、不満などすぐに頭から消え、代わりに疑問が湧きはじめた。
――それにしても、彼があんなにせわしない喋り方をするのも珍しい。それに不自然だ。
何年も自分と付き合っていて、いまさら雪に反応しないなんてことがあるだろうか。
せっかく雪が降ってるのに、雰囲気なんて欠片もない――
望んでいた、恋人が訪れてくれるという状況になったことも忘れ、美穂は不満気な表情を携帯電話の待ち受け画面に向けた。
しかし画面の中で穏やかな笑顔を浮かべる昌彦の顔を眺めていると、不満などすぐに頭から消え、代わりに疑問が湧きはじめた。
――それにしても、彼があんなにせわしない喋り方をするのも珍しい。それに不自然だ。
何年も自分と付き合っていて、いまさら雪に反応しないなんてことがあるだろうか。