あたたかい雪
そう思いインターホンのカメラを覗く。


するとそこには、意外にも、ニットの帽子を目深にかぶった昌彦の顔が映っていた。


「ちょっとどうしたの。何でこんなに早いの?」


「いいから、とにかく入れてくれよ。寒いんだ」


カメラ越しに見る昌彦は、確かに寒そうに自分の体をさすっている。


疑問はさて置き、美穂は取りあえず入れてあげようと玄関へ向かった。


「おはよー。っていうかほんとにどうしたの? さっきどこからかけてきたのよ」


「いいからいいから。いや、ほんと寒いな今日は」
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