はちみつれもん
「わかんないよ、だって……」
「諦めるんだ。そんなもんか、だよなー。」
諦める、っていうか…。
言い訳を考えていると、
興味をなくしたようにあたしから目をそらした。
――なにそれ。
「ま、いい…」
「わかった。当てるよ。」
彼の言葉を遮る。
“ま、いいや”なんて言わせない。
絶対思い出すから。って思って彼をじっと見つめた。
すると、彼は驚いた様子もなく、私を見てニッコリ笑った。
――これじゃあ西川くんの思惑通りにしちゃってる!
そう気づいたときには遅くて。
「じゃあ、あたったらご褒美あげるよ。」
別に、いらない。
けど、負けるのも嫌……。
「わかった。」
あまりにも余裕を崩さない様子が悔しい。
…1つルールを足したら、流石に表情を崩すかな?
「ねぇ、西川くん。」
ん?と楽しそうにこっちを向く彼。
だから、まけないぞっ!って思いながらも余裕を装って伝えた。
「あたしの回答権、一回でいいよ。」
そう言ってニッコリ笑った。