LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
あそこまで怒った真希を見たのは初めてで。
俺は追いかけることが出来なかった。
だって今追いかけて何ていえばいいわけ?
今、何を言ったって嘘になる。
嘘にしか聞こえない。
家に戻っても、携帯片手に悩むだけ。
かける、か。
かけない、か。
何度も開いては、閉じるだけの携帯電話。
発信ボタンを押す勇気がどうしてもなくて。
ゴロゴロとベッドを行き来してしたら
「うっわー、情けない男」
そんなグザッと来る一言をサラッと言われてしまった。
「んだよ、愛未。ノックぐらいしろってんだろ」
「何をまぁ。そんな偉そうなことが言えるかね、この馬鹿男!」
そのまんまの事を言われて、言い返す言葉がない。
「あれ? 今日は大人しいね」
「……るせー」
「ちょっとは反省してるんだ?」
「……うるせーよ」
生意気なことを言ってるくせに、何とも情けない声を出す俺にクスリと笑った愛未が
「女子高ってねー」
と急に話出した。
「愛未、今お前の話聞いてる余裕ないんすけどー」
「まぁ、聞きなさい。若者よ」
って、こいつ。
だんだん本当のババアぽくなるな。
「女子高って、彼氏に迎えに来てもらうのが流行ったりするんだよね」
「……は。迎え?」
「そう。女子高って、男いないじゃない」
「そりゃ当たり前だろ。女子高なんだから」
そう言うと、愛未に殴られてしまった。
昔から手が早いだけは歳を取っても変わらない……。