薇姫/獣帝
「久しぶりに家に帰って来たのに妹が居ねぇんだもん。
咲夜も居ねえしー」
怜央は笑いながら胡座をかいた。
『…お前だけが仕事があると思うな』
私は溜息交じり言った。
ぐっと拳に力を入れていると、机のしたからそっと私の手を握る棗。
その手を私は握り返してしまった。
こんな、人に頼る様な事してはいけないのに。
自分に呆れながらも手を離す事は出来なかった。
咲夜が悲しそうに私を見ていた事に気づかず。