薇姫/獣帝



自分のバイクに紘を乗せて久しぶりの倉庫に来た。




倉庫には抗争前の静けさに似たモノがあった。





『……』



「…琉稀」



不安気な瞳を私に向ける紘は前より頼もしくも見える。





何かに吹っ切れたからだろうか?




クスリと笑って頭を撫でると気持ち良さそうに目を細めで手に頭を擦り付ける。








ごめんね。











ゴメンネ。















ーーーー








倉庫の中に入ると、面子の子達が勢いよく私に近寄って来た。





驚いて最初の方は固まってしまったけど、皆不安だったのだと悟る。









一人一人頭をなでて前に進んでいった。




紘も目を細めて面子の子達を見ていた。









階段を上がり始めて、気づいた。









不安にさせてるのは、私だ……

















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