たった一つのお願い


俺がフッと笑うと彼女は頬をさらに紅潮させた。
……彼女はどれほど俺を執着させるのだろうか?




「し、仕事でしょ!
早く行ってらっしゃい!!」




慌ててる姿も可愛い。
見ていて飽きない。


コレも初めての感覚だ。




「あ、一番の用件を忘れていた」




自分がみっともないぐらい浮かれていた事に気づく。
…俺は遠足前の小学生か。




「春陽のお父さんと会わせてもらえないか?」



「え……?」
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