たった一つのお願い


出来れば手術の説明会の前に会いたい。


手術時はゆっくりとそんな話は出来ないし。
かと言ってコソコソと親に隠れて付き合うのは俺は嫌だ。…俺の両親にはまだ言ってないがどうとでもなる。




「ダメか?」



「でも、お父さん…きっと認めてくれないよ?」



「認めさせるから。
そんな事は心配しなくて良い。それは俺の役目だ」




そんなに不安にならなくても絶対離さないから、と俺が念を押せば彼女はコクリと頷いてくれた。


そうして俺は翌日彼女から来週の夜9時に駅前で待ち合わせだと告げられた。
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