純~Love Story~愛
仕方がないとわかっているけど
急げば八時に間に合うだろう

いや間に合ってほしいんだ!!!
どうしても
この目で佳真を応援したい・・・・

そしてあの歌声を独り占めするんだ・・・・・

祈るような気持ちで 陸の父親の迎えを待った。

祖父は東京へ出張中だとか・・・・


携帯に電話してみよう


電波が届かない場所?電源が入ってない?

「ざけんなよ おい!!」

思わず口走った。

「先生 おとうさん遅いね・・・・。」

さすがに陸も空気を読んだのかそう言った。

「大丈夫だよ 陸。もうすぐ来るからね。」


自分に言い聞かせる。

時計を何度も見ながら

早く来いや・・・・・そうつぶやいている。

やっと電話が通じたのは六時半を回った頃

「お迎え・・・待ってるんですけど・・・・。」

「悪いけど 今地方で今向かってる途中なんだ。
八時までには行けるけど・・・。」

「八時?八時ですか?」

「すみませんけど急ぎますんで・・・・。」

そう言うと電話が切れた。

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