海賊王子ヒースコート

「ちっ、参ったな…。せっかくのチャンスが」

舌打ちする仲間を宥めるようにヒースコートが言った。


「落ち着けレイバン。ここに居ればそのうち会えるだろう」


傷のある男レイバンは複雑な表情をしながら、再びビールに口をつけた。


「で、その大佐様のカワイイお相手って誰なの?」

「何でそんな嬉しそうに聞くんだ?エリオット」


ニッコリと眩しい笑顔が印象的な薄紫の君、エリオット。

レイバンと違って、彼からは殺伐とした雰囲気など微塵も感じられない。


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