海賊王子ヒースコート
皮肉たっぷりな砲術長の言葉のせいでダリウスのこめかみに青筋が浮かぶ。
「テメー、言わせておけば…!」
「フッ…失礼する」
不敵に笑み、アイリーンの肩を抱いて通り過ぎようとしたヒースコートに、ダリウスが低い声でこう言った。
「待てや、海賊王子」
この呼びかけにヒースコートの歩みがピタリと止まる。
(海賊王子?ヒースコートさんのことでしょうか?)
アイリーンの疑問を置き去りに会話は進む。
「今夜は俺様の部屋に来い。久々に相手してやんよ」
「断る」
「テメーに拒否権はねぇぜ。王子様よぉ」
ダリウスとヒースコートの間でバチバチと火花が散る。
アイリーンは思わず一歩下がった。