荒れ球リリーバー
夕焼け空の下。

子供同士で、小指を結び付けて交わした他愛もない約束。

私は、今でも忘れてない。

信じてる。



小学校でも、中学校でも、ノーコンのあいつは控えのピッチャーとして野球を続けていた。

中学時代の夏の大会。

炎天下の中で行われた地区予選。

試合途中でエースが怪我をして、誠一郎が急遽マウンドに立つ事になった。

八回の裏。

二対二の同点。

二死一塁。

ノーコンで立ち上がりの悪いあいつは、ストライクがひとつも入らず、一人目の打者をフォアボールで出塁させてしまう。

二死一二塁になった。

キャッチャーが駆け寄り、落ち着けと声を掛けた。
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