【完】I LOVE YOUが言えるまで

高倉が学の家に着いたと同時に、学の家から一台の車が出て来た。


高倉は急いで車から降りて駆け寄り、窓を叩く。


「学!学!何にも言わないで行くなんてひでーよ。学」


車が止まり、後部座席の窓が開き、学が顔を出した。


「ルキヤ…」


「学、黙って行くなんてひでーじゃねーか。お前はなんも悪くねーから。悪くねーから」


学は窓から手を出した


「俺、昔みてーに強い男になって、必ずルキヤに逢いに来るから。それまで待っててくれ」


高倉は涙を流しながら、力強く学の手を握った。


「俺待ってる。ずっと待ってるからな。学を待ってるからな」


学は両手でしっかりと高倉の手を握り返した。


そして、学は手を離し、車はゆっくりと動き出した。


「学ー!頑張れよ!俺待ってるからな」


高倉は涙を流しながら、車が見えなくなるまで叫んでいた。何度も…、何度も…。


< 388 / 487 >

この作品をシェア

pagetop