【完】I LOVE YOUが言えるまで
高倉が学の家に着いたと同時に、学の家から一台の車が出て来た。
高倉は急いで車から降りて駆け寄り、窓を叩く。
「学!学!何にも言わないで行くなんてひでーよ。学」
車が止まり、後部座席の窓が開き、学が顔を出した。
「ルキヤ…」
「学、黙って行くなんてひでーじゃねーか。お前はなんも悪くねーから。悪くねーから」
学は窓から手を出した
「俺、昔みてーに強い男になって、必ずルキヤに逢いに来るから。それまで待っててくれ」
高倉は涙を流しながら、力強く学の手を握った。
「俺待ってる。ずっと待ってるからな。学を待ってるからな」
学は両手でしっかりと高倉の手を握り返した。
そして、学は手を離し、車はゆっくりと動き出した。
「学ー!頑張れよ!俺待ってるからな」
高倉は涙を流しながら、車が見えなくなるまで叫んでいた。何度も…、何度も…。