【完】I LOVE YOUが言えるまで
episode 22

キャンプ当日の朝を迎えた。


あゆみとの再会、学との別れ、高倉の心は激しく揺れ動いていた。


そんな高倉を支えていたのは、美緒の存在だった。


「さてと、今日はキャンプだっ!
美緒さんが楽しみにしてたキャンプだ!
最高のキャンプにしてやる!」


朝から張り切っている高倉。


どんなに辛くて、苦しくて、悲しくても、高倉には美緒が大切で、美緒の笑顔を見るのが幸せなのです。


こんな風に思ったのは、美緒が初めてだった。


「えっと、荷物は…」


まだ、朝の五時だと言うのに、高倉はキャンプに持って行く荷物のチャックを始め、揺れ動く気持ちを必死に打ち消そうとしていた。


一通り車に荷物を積み込んだのは、七時を過ぎていた。


「もう七時か…、美緒さんにメールしておこうかな」


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