カラフル
「……見返したい人たちがいるから」
具体的なこては話さなかった。
綺麗な理由ではないけれど、これが本音だし、嘘をついてもバレる気がしたから、正直に答えた。
あたしが言っていることの意味が、よくわからなかったのかもしれない。
矢野ユウキは「ふーん」とつぶやくだけで、それ以上のことは聞いてこなかった。
そうしているうちに、スタッフの人たちがパラパラと集まってきた。
先に車を降りようとする矢野ユウキは、振り返って鞄を取るとき、あたしの顔を見てフッと表情を柔らかくする。