カラフル

「おはよう」

そう言って、車のドアを開ける彼は、肩にかけた鞄をあたしの横に置き、隣に腰掛けてくる。

別に変なことじゃない。

だけど、音楽もかかっていない車の中で、2人っきりでいるのは少し緊張してしまう。

彼を意識してしまうあたしは、顔を窓側に向けてばかりいた。

「……佐奈ちゃんはこの仕事、ずっと続けていくの?」

当たり障りのない会話を二言三言交わした後で、矢野ユウキは突然、変な質問をしてきた。

「あ、はい。一応、続けていきたいなぁって思ってます」

そう答えると、彼はすかさず「なんで?」と理由を聞いてきた。
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