カラフル

午後になってからのナナは、一切、近づいてこない。

休憩時間になったら必ずあたしの側へ来ていたくせに、友達と騒いだり、他の女の子たちに混ざってた。

避けられていることがわかったあたしは、関係が悪化するまでに仲直りをしたいと思ったの。

もうあの笑顔を見れなくなるのは、嫌だから。

「何?」

あたしを見て冷やかしてくる友達にヘラヘラ笑っていたナナは、友達が行った瞬間、冷たい口調で問いかけてくる。

「……チビって言って、ごめんね」

謝っているのだけれど、もう一度、この言葉を口にした自分が嫌になった。

「気にしてないよ」とすぐに言い返される。

「じゃあ、なんで……急に冷たくなるの?」

問いかけているのはあたしの方なのに、なぜか自分が責められているような気持ちになってしまう。

手にかいた汗を拭くみたいにして、あたしはスカートをギュッと掴んでいた。
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