カラフル

学校を休んで、2度寝をしていると、側に置いてあった携帯電話がうるさく鳴り響く。

「……はい」

眠たい目をこすりながら、受話キーを押すと、耳に届いたのは今まで一度も電話をしたことの無い相手の声だった。

「どうしたの?」

「窓の外、見て」

言われるまま、あたしは部屋のカーテンを開けて、家の前の道路を見下ろす。

「……寝てんじゃねーよ。学校を休んだから、心配したじゃねぇか」

視界に入ってきたのは、青い傘を持った洋介の姿。

何度もインターホンを鳴らしていたらしいが、寝ていたあたしは全くその音に気づかなかったんだ。
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