カラフル
鼻をすすりながら、うつむくあたし。
すると、涙でぼやけた視界に、洋介の足が入ってくる。
「3人でいるときのお前、すっげえ楽しそうだったよ」
彼はそう言って、あたしの頭を優しく撫でていく。
その表情は、バスケをしているときよりもカッコイイなって思えるもので。
やっぱり好きだ、と思った。
「佐奈のこと好きなの?」
泣きながらこんなことを聞けば、あたしの気持ちがばれてしまうかもしれない。
だけど、佐奈と付き合ってほしくないんだ。
片思いでもいいから、ずっと好きでいたいんだもん。