オオカミ少年。
【俺のこと嫌いなの?】
さっき友達に見せてもらった男の人とは違うイケメン男子が画面からあたしを見てる。
設定は友達に全部やってもらった。
リアルなアプリだわ。
「あは、変なのー。」
好奇心で始めてしまったけど、やっぱりあたしには向いてないみたいで、一度もキュンとしてない。
ドキドキもない。
寧ろ笑いが出てくる。
【俺のこと好きになってよ。】
「やだねー。」
なんて、マイナスな返事しかしないから関係が発展するわけもなく。いかに自分が冷たい人間なのか分かってしまって、またそれが笑えた。
そんなあたしが中田とは一緒にいられるんだから、やっぱりあたしには中田が一番なんだろうな。
「平山何してんの?」
「うわっ…!」
突然後ろから声をかけられて、思わず椅子から立ち上がってしまった。